最もクラウドファンディングを活用しているプロレス団体は?

コラム

前2回に続きクラウドファンディング関連記事です。今回は「最もクラウドファンディングを活用している団体」について紹介・考察します。

まず何をもって「活用」とするかですが、今回は金額と回数のふたつに焦点を当てます。

▼金額
近年の日本のプロレス団体で、最も多額の支援を集めたのは大日本プロレスが2020年5月に実施したプロジェクトです。

金額は1,200万円(目標は1,000万円)、支援者数は1,100人以上となりメディアでも報道されるほどの結果となりました。

大日本プロレスは以前にもデスマッチで使用する鉄檻リニューアル費をクラウドファンディングで募り、こちらは260万円を超えています。

いずれのプロジェクトもひとりあたりの平均支援金額が10,000円を超えており、高額コースの支援者が少なくないのが特徴です。

▼回数(選手・団体)
成否を問わず挑戦した起案者が内容を変えたり、失敗したものをブラッシュアップしたりして二回目以降のプロジェクトに挑戦するのは珍しいことではありません。

個人での実施回数が多いプロレスラーのひとりが、くいしんぼう仮面(フリーランス、元:大阪プロレス)です。

『ローカルプロレスラー図鑑+2016』より

記事執筆時点で、CAMPFIREにおいて3回のプロジェクトを実施し、いずれも成功しています。3回とも基本は書籍発行に関わる資金を募っていますが、リターンが書籍だけではなく、書籍でインタビューされた選手を扱ったドキュメンタリー映像作品DVDやマットプロレス開催権などもあり、よりプロレス活動を広げるために活用しているのが特徴です。

日本初のNPO法人プロレス団体・九州プロレスもクラウドファンディングを活用している団体のひとつです。


※起案者はめんたい☆キッド

沖縄を拠点とする、琉球ドラゴンプロレスリングもクラウドファンディングを活用しています。

「沖縄唯一のプロレス団体」がチャンピオンベルトを初製作!!

団体テーマソングを作って沖縄からプロレスと音楽を発信したい!

プロレスのクラウドファンディングで最もスタンダードな興行運営費用を募るプロジェクトはもちろんですが、団体テーマ曲やシングル・タッグチャンピオンベルトといった、団体を象徴するものを作るためのプロジェクトで活用しており、地域密着型のローカルプロレス団体に適した使い方といえるでしょう。

厳密にはプロレス団体ではなく、多くのプロレスラーが出演するステージエンターテインメントの魔界(MAKAI)は、なんと実施回数が2ケタを超えています。

kibidangoにおいて、登場人物が用いる武器・防具・衣装などの製作費を募り、12回ものプロジェクトを実施し、いずれも約12万円~45万円の間で目標額を達成しています。

魔界(MAKAI)はチケット完売が続く人気興行のため、興行内で用いられるものを作る協力ができる喜びだけでなく、原則非売品のDVDを入手できるのはクラウドファンディングでのリターンのみのため、無形・有形ともに魅力的なプロジェクトといえます。

映像の販売はされていませんが、現在Amazonプライムビデオ(AA)で視聴可能です。

現在はCAMPFIREを実施プラットフォームに移し、衣装だけでなく、サウンドトラックCDやリングキャンバス、映像作品など多様かつ積極的にプロジェクトを実施しています。

海外のプロレス関連プロジェクトは前回記事でも紹介した、書籍・映像・ゲームなどの作品が大半を占めています。WWE(WWF)などで知られる、ジム・コルネットのグラフィックノベル作品の製作資金を募るプロジェクトが約7万USドルを集めています。

個人の活用例
選手でなく、かつ団体所属でもない個人がおこなったプロレス関連プロジェクトで回数だけであれば、私は『ローカルプロレスラー図鑑』などで6回を実施しています。プラットフォームはmoonshot(ムーンショット)(4回達成、1回中断)と、FAAVO名古屋栄(未達成1回、現在はCAMPFIREに統合)を用いています。


現在は仕事として、クラウドファンディングに携わることもあるのですが、いずれプロジェクト実施で得た経験や小ネタなどを記事にしたいと考えています。

『ローカルプロレスラー図鑑』は現在オンラインストア)でお求めいただけます。
※送料無料・無料お試し版あり

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たこ焼きマシン

たこ焼きマシン

フリーランスで企業・イベントの広報やPR、ライターおよび編集、クラウドファンディングの企画運営サポートなどをしています。 全国の地域密着型プロレス団体で活動する選手を紹介する『ローカルプロレスラー図鑑』を制作しました。

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